とある大手看護師転職支援会社が実施した社内アンケート調査によれば、希望の転職時期として「半年以内」と答えた看護師の割合が3分の2以上だったという結果も出ています。
中には、今より条件が良い職場が見つかるのであれば「いつでも転職したい」という、常時準備OKの方も多いとのこと。
半年以内に転職を考えているということは、かなり具体的に転職を検討している看護師が多いということでもありますが、転職に成功するためには、そのタイミングも重要になってきます。
転職のタイミングには、大きく分けて2つの視点があります。
- あなたにとってベストなタイミング
- 転職市場にとってベストなタイミング
転職のタイミングというと、ほとんどの方が前者のタイミング、つまり、自分の年齢やキャリアプラン、結婚や出産といったライフステージに沿ったタイミングのことを想像されるのではないかと思います。
しかし、実は転職を成功させる上でもっとも重要なのは、「転職市場のタイミング」を逃さない、ということです。
転職市場のタイミングとは?
「転職市場のタイミング」とは、どういうことでしょうか?当然ながら、看護師の転職市場は、一年を通じて一定なわけではありません。求人の量や求職者の数、つまり転職市場の需給バランスは、時期によって変わってくるのです。
そのため、求人が少ない時期に転職しようとすると、選択肢は限られてしまいます。だからといって、求職者が多い時期に転職しようとしても、ライバルが多く、希望の病院へ行ける可能性が狭まるかもしれません。
転職を成功させるためには、このようにベストなタイミングを見計らって転職活動のスケジュールを考えることが重要なのです。
看護師の転職が増えるタイミング
1年のうち、看護師の入職が増えるタイミングとしては、主に下記の4つの時期が挙げられます。
- 4月(年度のはじまり)
- 7月(夏の賞与後)
- 9月(期の変わり目)
- 1月(冬の賞与後)
4月・9月は多くの病院にとって期の変わり目となります。採用計画は「期」に基づいて作成されるため、このタイミングの入職を前提とした求人が多くなることが影響し、入職者数が増える傾向にあります。
次の期の経営方針に沿って新規採用、欠員補充、配置転換に伴う採用など、様々な求人ニーズが生まれるのが4月・9月となります。
また、夏の賞与後となる7月や、冬の賞与後となる1月も、入職者数は増える傾向にあります。これは、6月・12月の賞与を貰ってから退職しようと考える看護師の方々が多いためだと考えられます。
中でも、看護師の求人がもっとも多く、入職者数ももっとも伸びるのは4月です。
4月には中途の転職市場だけではなく新卒の看護師も入職してきますので、若手看護師の方であれば、新卒が入職するタイミングと同じタイミングで転職し、一緒に研修してもらうことでスムーズな未経験の科目や部署への転職を実現する、という方法もあります。
狙い目のタイミングは?
昨今の看護師の転職市場は「超」がつく売り手市場となっていますので、基本的には1年を通じて求人需要は多く、転職しやすい状況が続いています。
しかし、その中でももしベストなタイミングを狙うとすれば、12月・1月頃の転職はおすすめです。
12月、1月は毎年病院が来期の4月入職に向けた採用活動に動き出す時期であり、一気に求人が増え始めます。しかし、4月の入職を前提に転職活動をする看護師の中には、2月・3月という直前に動き出す方も多いので、12月・1月という早い時期はまだライバルが少ないのです。
都心部にある大手の病院など非常に人気が高い求人の場合、2月・3月から動き出してももう手遅れとなることもあります。できる限り多くの選択肢の中から選び、人気の求人も逃さないためには、早めに動き出すことが重要なのです。
「いい条件があればいつでも!」という方の転職テクニック
「いい条件の求人さえあれば今すぐにでも転職したい」という方は、今の職場で働きながら、いかに効率的かついち早く希望の求人情報を収集するか、という点がポイントになってきます。
そこで活用できるのが、看護師専門の転職支援会社です。転職支援会社に登録して、とりあえず希望の条件だけを担当のキャリアアドバイザーに伝え、該当する条件があれば、メールで連絡をするように伝えておきましょう。
その際、あまりに条件を緩くしすぎると該当案件が多すぎて頻繁にメールや電話がかかってくることもあるので、「この条件さえ満たせば迷いなく転職したい」という条件を伝えておくことがポイントです。
こうすることで、本当に自分の希望に合ったピンポイントの求人が発生したときだけ、担当のアドバイザーから連絡が来る仕組みを作ることができます。
自分自身で色々な求人サイトを見たり、直接病院に問い合わせたりするのはとても大変ですので、求人情報の収集は転職支援会社に任せて、希望の案件が出てきたらすぐに動く。
このような効率的な転職活動スタイルがおすすめです。なお、せっかく転職支援会社が案件を紹介してくれるのにも関わらず、希望条件がなかったからといってレスポンスを全く返さないと、転職する意思がないと受け取られて案件の紹介が来なくなってしまうこともありますので、たとえ希望の求人がなかったとしても、きちんとメールの対応だけはこまめにするようにしましょう。
看護師の売り手市場は今だけ?
実際に看護師として働く皆様にはあまり実感がないかもしれませんが、看護師の転職市場は一般的なサラリーマンの転職市場と比較すると、考えられないほどの売り手市場となっています。
高齢者の増加による医療ニーズの増加、少子化による新規看護師数の不足、診療報酬の改定に伴い7:1体制を実現しようとする病院の増加など様々な背景があり、ここ数年、看護師の転職市場は「超」がつく売り手市場となっているのです。
しかし、この状況がいつまでも続くわけではありません。今後も看護師不足が続き、看護師の求人需要が高いことは間違いありませんが、今後の看護師の需給予測によれば、徐々に現在の需給ギャップは解消されていくと予想されています。
そもそも現状の国家財政上、医療費の削減は急務となっており、今後は病院を中心とした中央集権的な既存の医療システムから、地域医療や予防医療といった自律・分散型の医療システムへと移行していくことが考えられます。看護師の役割や働き方そのものが大きく変わっていく可能性もあるのです。
つまり、少しずつ現在の売り手市場の傾向が弱まり、転職の難易度は変わっていく。更に、それだけではなく転職市場そのものの状況も変化していく、ということです。
そのため、今が売り手市場だからといってむやみに転職を繰り返すことは決しておすすめできませんし(将来、その転職歴が仇となる可能性があります)、キャリアの方向性は長期的な視点から考えていく必要があります。
こうした医療業界全体の流れについては、日々の看護業務に没頭しているとなかなか実感しづらい点でもあると思いますので、ぜひこうした大きな転職市場のトレンドについても転職支援会社のキャリアアドバイザーに聞いてみると良いでしょう。
今後のキャリアプランを考える上での大きなヒントが得られるかもしれません。
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