看護師が悩む「いじめ」の現実と対処法！

看護師の方々の転職理由の中でも一番多いのが、なんといっても職場の人間関係に関するもの。その中でもとても多いのが、職場での「いじめ」です。あなたの職場にも、いじめがありませんか？実は、看護師の皆さんの中には人知れずいじめで悩んでいる方が数多くいるのです。

実際にいじめを受けた経験がある看護師の方々から話を聞くと、その陰湿な手口に思わず口を塞いでしまうこともしばしば。下記によく聞くことが多いいじめの内容を挙げてみました。

話をしても無視される
話すたびにきつく詰められる
陰口を叩かれる
告げ口をされる
仕事を手伝ってもらえない
仕事を押し付けられる
悪意を感じるシフト
持ち物を勝手に捨てられる

いかがでしょうか。聞いただけで思わず逃げ出したくなるような職場ですが、こうした陰湿ないじめは実際に全国の病院のいたるところで起きているのです。こうしたいじめの問題に、看護師としてはどのように対処していけばよいのでしょうか。ここでは、その対処法について考えてみたいと思います。

そもそもなんでそんなにいじめが多いのか？

対処法について考える前に、看護師の職場ではなぜそんなにいじめが多いのか、その原因を考えてみましょう。他の職場と比較して、看護師の職場ならではの特徴として挙げられるのは下記のポイントではないかと思います。

常に多忙で緊張感が求められ、精神的余裕がなくストレスが溜まっている
連日の夜勤や残業などで体力的余裕もなくストレスが溜まっている
日常の中でストレスの掃き出しどころが少ない
男性が少ない職場なのでついついお互いに本性が出やすい
病院内の人間関係で嫉妬されやすい構造がある

看護師の多くの方々はそもそも精神的・肉体的に余裕がない日常を送っていることが多く、ちょっとした後輩のミス、ちょっとした患者の傲慢でもつい腹が立ってしまうということがよくあります。ただし、患者の前では常に笑顔で「白衣の天使」を求められるわけですから、その外面と内面のギャップが積もり積もって強烈なストレスとなり、まずは自分に襲い掛かります。

そしてそのストレスの掃き出し口が見つからずに堪えられなくなったとき、いじめという形で他者への攻撃をはじめることでストレスを解消しようとするのです。こうした職場での悩みに加えて結婚や出産などプライベートでも悩みを抱えていれば、そのストレスはとても大きいものになります。

また、職場内のほとんどが女性、という環境も影響していると考えられます。職場に魅力的な男性が一人でもいれば女性も自身の言動や振る舞いを意識せざるを得ませんが、こうした存在がいないと攻撃的なコミュニケーションに歯止めが効かなくなります。

さらに、病院という特殊な閉鎖的な人間社会も影響しているのではないかと思います。実際にいじめに合った例としては、「人気の医師との交際を疑われていじめられた」といった病院内での人間関係における嫉妬の気持ちを発端としていじめが始まるケースも良く聞きます。

このように、様々な原因が絡み合い、最終的に「いじめ」という形でストレスの掃き出し口を見つけながら、何とかぎりぎりのところで人間関係を保っているのが看護師の職場なのかもしれません。

しかし、だからといって「いじめ」が許されるわけではありませんし、「いじめ」たり「いじめられ」たりすることでプラスになることなど何もありませんから、できることであれば「いじめ」とは関係ない仕事生活を送りたいものです。

それでは、もし自分が「いじめ」の標的になってしまったら、どうすればよいのでしょうか？

いじめの苦しみから抜け出す方法

ここでは、いじめの苦しみから抜け出す方法について考えてみたいと思います。結論から言うと、ベストな方法は「その職場から一刻も早く逃げること」です。

いじめに立ち向かうことはとても勇敢なことですが、多くの場合、これはかえって状況を悪化させ、自分の体力と精神を摩耗するだけで幸せな結果を生みません。「いじめ」がある職場では、既に「強いもの＝いじめるもの」と「弱い者＝いじめられるもの」の構図が出来上がってしまっており、この構図の中で人間関係が安定してしまっていることが多いので、例えば職場に新しく強烈な個性を持った人が何人も入ってくるなど、これまでの人間関係の構図を壊すようなことが起こらない限り、その状況が変わることはないからです。

そうした職場であなたができることは、「いじめる側に入るか」「いじめられる側に入るか」2つに1つしかありません。もしあなたがいじめる側に入ることができれば、それはそれでいいのかもしれませんが、きっとそれはあなたの本望ではないはずです。

先ほど上記で説明したように、いじめには様々な背景が原因となって絡まりあっていますので、本当に問題を解決しようとすれば、いじめをしている当事者ではなく、いじめをしている当事者がいじめをしたくなってしまうその原因を取り除くところまで考えなければいけません。しかし、現実にはそれはとても難しいのです。いじめをしている当事者といくら真剣に向き合い、話し合いをしたところで、その当事者をいじめに駆り立てる何かがなくならい限り、状況は変わらないと考えたほうがよいでしょう。

そのため、そこまでしていじめの解決に取り組むぐらいであれば、さっさとその問題から逃げてしまい、新天地を探しにいく、というのが一番の得策です。「逃げる勇気」とも言いますが、あえて問題から逃げることも時には必要なのです。

注意点！「問題」はどこにある？

ただし、逃げるときに一点だけ注意しておきたいことがあります。それは、そもそもいじめの発端となった「問題」がどこにあるか？という点です。先ほどから説明しているように、いじめの発端となる問題が職場の労働環境や人間関係、上司や同僚の人間性など自分以外の部分にあるのであれば、逃げることで問題は解決されます。

しかし、もし問題が自分自身にあった場合はどうでしょう？いくら職場から逃げたところで、問題を持っているのは自分ですから、自分自身の問題を解決しない限り、永遠にいじめから逃れることはできません。

いじめを受けてしまったら、まずはそこから逃げることは重要ですが、それと同時に一度冷静になってみて、自分側にもいじめの発端となる原因がなかったかを考えてみることが重要です。

自分を振り返る際に有効なのは、「相手にやってほしいと思うことを、自分ができていたか」を振り返ることです。例えば、「頼まれた仕事は快く引き受ける」「自分の都合だけではなく相手の都合も考える」「日常的に感謝の気持ちを示す」「一度注意されたことは繰り返さないように努力する」など、人からしてもらえないと不満を感じる癖に意外と自分ではできていないこともたくさんあります。よく「人間関係は鏡」だと言われることもありますが、相手を鏡に自分のこれまでの行いを振り返ってみるというのも、今後にとって必ずプラスになるはずです。

キャリアアドバイザーに相談するのも手

いじめに悩んでいて今の職場を変えようと考えている方は、まずは看護師転職支援会社のキャリアアドバイザーに相談してみるのも手です。いじめなど人間関係に関する相談はなかなか身近な人にはしづらいものですが、キャリアアドバイザーであれば赤の他人ですので、自分の思いをそのまま素直に伝えることが可能です。

なかには「話すだけ話したら意外にすっきりした」といって帰っていく看護師の方もいらっしゃるほど、誰かに「相談する」ということそれ自体も問題解決にはとても大事なのです。

まずは今の状況を相談したうえで、本当に転職したければその相談に乗ってもらえばよいですし、そうでなければ無理に転職する必要はありません。まずは誰かに話すこと。そして客観的な意見をもらいながら、自分の今の状況を冷静に見直してみること。そうするだけでも大きく気持ちが前向きになるはずです。ぜひ頼れるものは頼っていきましょう！

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