「看護師に向いてない！」と言われたら？

先輩からの厳しい指導に必死に耐えてきたにも関わらず、ついにある日、先輩から言われた一言。「あなたは看護師に向いてない！」。新人の看護師にとって、これほど心に響く、辛い言葉はありませんよね。ただでさえなかなか仕事がうまくこなせずにミスばかりして落ち込んでいるときに、こんなこと言われたら、誰だって泣きたくなるものです。

しかし安心してください。実はこの「向いてない」という言葉、あなただけではなくほとんどの看護師の方が一度は浴びせられたことがある、いわば新人看護師に向けた定番フレーズのようなもの。プリセプターから、看護師長から、患者から、患者の家族からなど相手は様々ですが、今でこそ現場でバリバリ活躍している先輩看護師であっても、何かしら同様のことを言われて傷ついた経験が一度はあるものです。

こうした言葉を投げかけられたとき、特に新人看護師の方に注意してほしいのは、その言葉を真に受けないということです。そもそも新人であれば、仕事ができないのが当たり前。周りに迷惑をかけて当たり前なのです。もちろんそれで開き直ることはNGですが、誰だって新人のときはミスもいっぱいするし迷惑もいっぱいかけるものなのです。そしてそうした失敗を通じて徐々に仕事の仕方を学び、一人前になっていくのが正常な姿なのですから、たとえ先輩やプリセプターに「向いてない」と言われても、そこまで深く悩む必要はありません。「きっとこの人も新人の頃はそう言われて傷ついたから、同じことを後輩にしたいだけなのだろう」と軽く受け流すことができればベストです。

また、自分自身でも「看護師は向いてないな」と思ってしまっている方にもう一度考え直して頂きたいのは、「看護師に向いているかどうか」と「今の職場に向いているかどうか」は全く別だということです。

一口に「看護師」といってもその勤務先や仕事内容は本当に様々です。急性期、慢性期、精神病院、クリニック、訪問看護、介護施設などによっても全く仕事内容や雰囲気は異なりますし、外来、病棟、オペ室など、勤務場所によっても変わります。さらに、診療科目によっても患者のタイプや求められるスキルは大きく異なりますし、そもそも病院によって職場の雰囲気は様々です。そのため、厳密に考えると一概に「看護師に向いている」「向いていない」と判断するのはとても難しいのです。

ある職場では全く輝いていなかった人でも違い職場に移ると見違えるように活躍するケースもありますし、もちろんその逆もあります。「看護師に向いていないのでは？」と落ち込んでいる方は、少し考え方を変えて「今の職場が自分に合わないだけでは？」と考えてみてはいかがでしょうか？

病院はもちろん、患者の方々だって十人十色です。病名や病状はもちろんですが、個性や性格も一人一人異なりますし、万人から愛される看護師など存在しません。たとえ今の職場ではうまく仕事ができていなくても、あなたのことを必要としている職場の同僚や患者は必ずいるはずです。

「看護師に向いていない！」と言われても気にする必要などないのです。新人の方であればいずれ時間が解決してくれますし、既に2～3年働いている方であれば、そう言われたそのときこそ仕事の変えどきかもしれません。ぜひ前向きに考えてみましょう！

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