看護師に向いてないと言われたときの対処法

一生懸命仕事をしているのに、看護師に向いていないと言われショックを受けてしまった…。誰かに「向いていない」と言われると、それがまるで他人から見た自分への評価であるかのように錯覚してしまいますね。しかし、「この仕事はあなたには向いていない」という言葉は看護師以外の職業の方でもよく言われている言葉です。自分は本当にこの仕事に向いていないかもしれない、と思い悩んだときの対処法をお伝えします。

言葉を真に受けない

「婦長さんから看護師に向いていないと言われ、その時はショックでした…」と話すA子さん（仮名：30代女性）は、今では看護師歴10年以上のベテラン看護師です。そんなA子さんでも、勤務当初は看護師に向いていないと言われたこともあったようです。

それでもA子さんが看護師としてやってこられたのは、「その言葉を真に受けなかったから」だそうです。ショックなことを言われてしまうと、自分がそうなんだと決めつけて行動してしまう人もいますが、もしかしたらそれは時として道を誤ることにもなりかねないようです。

もしも向いていないと言われてしまったら、なぜそう言われたのかという点を振り返ってみることをおすすめします。例えば、チームワークが求められる時に自分のことだけにとらわれ、手を貸さなかったりすれば、「周りが見えていないからたくさんの仕事を一度にこなさなければならない看護師には向いていない」と言われてしまうことも予想されますね。ではその時、あなたはなぜ周りが見えなくなっていたのでしょうか？

原因を探っていくと、仕事を抱えすぎていた、一つのことに集中してまわりが見えなくなる性格が出てしまっていた、などということがわかってきます。これらの原因には、あなた自身が看護師に向いていないことは別の要素が見えてくることもあるでしょう。それがわかれば「自分は必要以上に落ち込まなくてよいのでは？」と思えてくるかもしれません。

看護師が向いていないのか、環境が合わないのかは重要

そもそも看護師に向いていないと一言で言っても、その裏には様々な背景があります。向いていないと思われている/思っている人の中には、仕事環境そのものが合っていなくて本来の実力を発揮しにくいという人もいます。そのような場合は、職場を変えることで看護師としてどんどん成長することも十分にありえるのです。

では、環境が自分に合わないことはどのようにしてわかるのでしょうか。どの職場でも人間関係は大切ですが、特にチームワークや協調性が求められることが多い看護師の間では、コミュニケーションが仕事環境をつくる要因にもなります。

また夜勤や交代制などローテーション制を取っているところでは、自分の希望する勤務形態がどれくらい取得できるか、それから残業時間が適切かどうか、休みが思い通りに取りやすいかどうかも、仕事環境に影響してきますね。当初の希望に近い形で働けているかという点も振り返るとよいでしょう。

実際のところ看護師に向いていないと言われても、それは言った本人の判断でしかありません。また、忙しさのあまり別の言い方ができなかったことも考えられます。適性として合っているかどうかということは他人の判断ではなく、看護師を志したあなた自身が判断することが大切なのではないでしょうか。

失敗と適性は別

なかには、失敗をしてしまった時に「向いていない」と言われた人もいるでしょう。医療の現場では思わぬ失敗は許されないという責任もつきまとうため、失敗に関して周りも自分も過敏になっていることは否めません。しかし、失敗は物事に対して起こることで、人の素質とは関係ないということを心に留めておきましょう。あなたがひとつ失敗をしたからといって、看護師に向いていないとは言い切れないのです。

ここで振り返ってみたいのは、あなたが看護師を目指した理由です。難しい国家試験を突破して資格を得ようとするためには、中途半端な志ではたどり着けないことでしょう。今働くことができているのも、あなたに看護師として適性があると判断してくれた人がいるからではないでしょうか。自分が選ばれた理由や働いている意味を改めて考えてみると、心の切り替えも早くなるかもしれません。

特に女性の場合は感情的に落ち込んだり、悩んだりすることも多いでしょう。それはデメリットではなく、相手の気持ちに寄り添える人でもあるという素質です。多くの患者さんは不安や心配を抱えて来院します。人の気持ちを思いやることは、看護師として必要不可欠なスキルではないでしょうか。

失敗をしてしまったらまず認め、同じ過ちを繰り返さないこと。それから必要以上に落ち込まず、失敗と適性とは切り離して考えるようにしてみましょう。信頼を少しずつ積み重ねていくだけでも、周りの反応が変わってくるかもしれません。

決めるのは自分

看護師に向いていないと言われてしまった時の対処法をまとめてみましょう。

真に受けないこと
適性とは関係がないこと
環境が希望に沿っているかどうか

以上を振り返ってみることをおすすめします。向いていないのかなと悩みながら仕事をすると精神的な負担が大きくなり、心の病に発展する可能性もあります。また、患者さんでも心を察することに敏感な方は、あなたの気持ちに気がついてしまうこともあるかもしれません。

環境が合わない場合には、自分だけの力では変えられないこともあるでしょう。その時には環境を変えることも視野に入れてみてはいかがでしょうか。高齢化社会で医療を必要とする人は年々増加していますね。あなたを待っている患者さんに会うためにも、今の状況を見直す時間を少しでも取り入れることをおすすめします。

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