前篇では看護師が転職する際に知りたい勤続年数や、育児休暇の取得状況などを見てきました。では次に、実際の勤務内容や夜勤の回数、派遣看護師への待遇などを調べてみましょう。
夜勤の勤務状況や人数体制は?
病院の規模にもよりますが、通常夜勤の看護師は3名くらいの人数で配置されます。介護病棟や療養病棟があるところでは、看護師と介護士が一緒に待機しているといった場合もあります。
夜間は患者さんの容態の急変や、1人きりで心細いといったことで緊急のナースコールされることも少なくありません。入院病棟では24時間体制でケアしなければならない患者さんも多くいらっしゃいます。また、救急外来を受け付けている病院では、外来の患者さんの対応に追われます。担当の病棟や部署によりますが、小さな病院ですと、1人で夜勤を任される、といったケースもあります。
夜勤は昼間の時間帯に比べ看護師の人数が圧倒的に少ないので、1人当たりのお世話をする患者さんの数も多くなり、日勤よりも仕事量が数倍増えます。複数の人数で担当すれば1人の負担が軽くなりますし、このような緊急時のトラブルでも迅速な対応が可能です。
もし夜勤のある病院で働くことを選択するのであれば、夜勤の人数体制や引継ぎなどがきちんと行われているかを確認しておくことが良いでしょう。日勤から夜勤への引継ぎがスムースな環境でなければ人間関係がぎくしゃくしますし、ストレスがたまります。
良い職場環境であるかどうかを見極めるためにも、師長と看護師の連携が取れているか、院内全体の雰囲気も良く、コミュニケーションを取りやすい状況であるかなど、職場見学の際にはよく見ておくことが大切です。
夜勤の回数やローテーションの体制は?
看護師の夜勤ルールは毎月72時間以下にしなければならない、という規定があります。この時間内に抑えるためには2交代で月に4回程度、3交代であれば準夜勤、夜勤共に9回程度といった勤務体制に制限されています。
ですがこれらには当てはまらない例外ケースもあり、例えば夜勤のみの勤務であれば時間規定が適用されませんし、救急センターや集中治療室、緩和ケア病棟、認知症病棟での勤務でもこういった勤務規定がありません。
子育て中などで夜勤はなるべく避けたい場合は夜勤少なめのシフトを希望される方もいらっしゃいます。逆に、夜勤専従看護師となって夜勤を多く入れて高収入を得る、といった働き方を望んでいる看護師さんもいます。
夜勤があるので看護師が続けにくいと感じる人や、72時間の夜勤ルールがあるから収入を増やせないと不満に思っている方もおり、これが離職につながり慢性的に看護師不足が解消しない、といった要因の1つになっていることも否めません。
看護師の仕事は2~3交代制ですので、本来はライフスタイルに合わて勤務体制を考えられる職種です。看護師同士が、それぞれの希望にあった勤務シフトが組めるような体制が整った職場だと長く続けることができそうです。自分が望む働き方を選べる転職先を探すことができると良いですね。
派遣看護師への待遇は?
働き方が自由に選べる派遣看護師も増えてきています。看護師専門の派遣登録会社も人気があります。看護師は正職員ですと夜勤勤務規定がありますので、夜勤の勤務時間が限られています。看護師不足を解消するために、夜勤での派遣での勤務を募集している病院は多くなってきています。
派遣での求人において、夜勤は2交代が中心で都心部ならばアルバイト代金が30,000円程度といった賃金が相場になっています。3~6ヶ月契約、単発や月1回からのシフト制など自由な働き方ができることが魅力的な点です。募集内容によって違いますが、正社員と同様、社会保険や福利厚生が利用できる条件も付加されているところあります。
求人は老人介護を主とした病院や療養施設型の病院、在宅看護のヘルパー補助などが多くなっています。一般病院は仕事の流れが煩雑なので、あまり求人はありません。介護系の病院では夜勤ケアの仕事量が日中以上に増えるので人手が必要であるため、求人が多くなっているといった現状があります。
昼間は日勤の病院、夜間は入れるときに夜間派遣バイトを入れる、といったダブルワークを望んでいる方にはとても働きやすいシステムです。ただ、ある程度キャリアを積んだ看護師さんであれば心配はないのですが、短期間で働くということはその病院の看護の流れや方針に戸惑ったり、うまくなじめなかったりといったことも考えられます。コミュニケーションを上手に取れるよう、またどのような職場の雰囲気にでもあわせられるような柔軟な対応ができる人材が求められています。
まとめ
夜勤がある病院で働く場合、それぞれの病院の就業規定を比較してみるとよいでしょう。また、日勤と夜勤への看護師同士の引継ぎがスムースにできているかもトラブルなく仕事をするには大切なポイントです。
正看護師でも派遣看護師でも夜勤勤務は重労働ですし、どうしても不規則な勤務体制になることは否めません。気持ちよく働くために、就業規則が守られた良い環境の職場をじっくりと探しましょう。
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